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Schools
That Learn
Our aim is to help the practitioners of School
That Learn and to develop
the learning capacity of our society
「学習する学校」の普及・促進
学校から社会に広げていくために
子どもたちは、社会の中で育ちます。Peaceable Educationでは、教室での「学習する学校」の学びを社会のさまざまなセクターと繋ぐことで、子どもと大人がともに学ぶ環境をつくり、教室で学んだ子どもが社会に出ても、同じ考え方で学び続けられる未来を作りたいと考えています。そのためには、教育のビジョン(教育をなぜ変えるのか、何を変えるのか、どのように変えるのか)について、みんなで対話を紡ぎ、社会全体がコンセンサスを確立していくことが大切です。
未来の社会に生きる未来の人のために、今どのような教育が必要なのかを、社会全体で考え、社会と共に教育をつくることが、子どもたちの幸せな未来につながると信じています。教育行政や学校、先生の取り組みを支える社会が、子どもたちの幸せにつながる教育の実現を確かなものにします。
VUCA時代に生きる子どもたちの学びは、従来の学校教育の枠組みを超えて、地域に広がっています。このため、学習する学校の概念には、地域社会も含まれます。大人も子どもも、学習し続ける時代に、子どもたちが生きる社会を見据えた教育の機会を、社会全体が協力し合って創り上げて行くことが大切です。
学習する学校とは?
Peaceable Educationでは、ピーター・M・センゲが提唱した組織の概念、「学習する組織」から派生した「学習する学校」の普及・促進に取り組んでいます。
具体的には、「志を育成する力」「共創的に対話する力」「複雑性を理解する力」の3つの力を身につけるために、5つの規律「システム思考」「自己マスタリー」「メンタルモデル 」「共有ビジョン」「チーム学習」を、社会の当たり前にすることに取り組んでいます。

自己マスタリー

「自己マスタリー」とは、己を知り、自らの意思でそこに立ち、ビジョン実現のために行動できることです。自己マスタリーは、学習する組織の要です。学習する組織における活動は、一人ひとりの動機の源泉に結びつけ考えられます。そのためには、一人ひとりが、自己の動機の源泉を知ることがとても重要な前提となります。

共有ビジョン

「共有ビジョン」とは、組織の人々が創造しようとしている共通の将来像、将来のありたい姿です。組織に属する一人ひとりがビジョンを持ち、そのビジョンが組織のビジョンと重なっている状態を表す言葉です。

システム思考

「システム思考」とは、原因と結果を一対一の関係で見るのではなく、相互のつながりに着目し課題を引き起こしている構造を捉え、未来を創造する思考です。

メンタルモデル

「メンタルモデル」とは、それぞれの人が持つ「思考・行動・感情の習慣」です。「深く根差した前提や思い込み」とも表現されています。自らのメンタルモデルとその影響に注意を払い、うまくいかないときには外にその原因を求めるのではなく、自らのメンタルモデルの欠陥を探求します。

チーム学習

「チーム学習」とは、チーム・組織内外の人たちとの対話を通じて、自分たちのメンタルモデルや問題の全体像を探求し、関係者らの意図合わせを行うプロセスです。中でも、「本音で腹を割って話す」ことに主眼を置き、集団で気づきの状態を高めて真の問題の原因・目的を探求する一連の手法を「ダイアログ」といいます。

CASE STUDY

実践事例

札幌新陽高等学校

「学習する組織」のコンセプトをベースに、
新しい学校の確立を目指す

「人物多様性」をビジョンに、「本気で挑戦し自ら道を拓く人の母校」をミッションに掲げる札幌新陽高校では、マサチューセッツ工科大学のピーター・ センゲ氏が提唱する「学習する組織」のコンセプトをベースに、2021年4月から学校変革に取り組んでいる。職員会議をなくす代わりに教職員の対話の場をつくったり、ビジョンの策定から共有を重点的に行うなど、新しい学校 モデルの確立に挑戦している。

札幌新陽高校の
「学習する学校」のコンセプト
どんなカリキュラムを生徒に提供するかも重要ですが、本校では、
それを自ら創造し提供し続けられる学校(組織)づくりに焦点を当て、
スクールリーダーと教員の学びと成長を支援・伴走することを目指しています。
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VOICE

実践者の声

『中つ火を囲む会』を核に
新しい学校のモデルを

教育現場の様々な問題が取り上げられ、学校が変わらなければいけないと言われて久しいのに、社会の変化のスピードに比べると学校の変化はあまり進んでいないように見えます。でもおそらくそれを一番分かっているのは学校現場であり、多くの教員は「変わらなきゃいけない」「変えたい」と感じながら日々奮闘しています。
『学習する学校』では、問題を個々に見るのではなく、それを引き起こすシステムがある、と考えます。それによって対症療法的な問題処理に追われるよりも、根本的なシステム(構造)の改善に目を向けることができるようになることがねらいです。
「子どもたちが探究的で創造的な学び手になるには、指導し支援する大人たちこそ探究的で創造的な環境を創り続けられる存在でありたい」というのが、新陽高校で『学習する学校』に取り組む原点です。教職員が自律した学習者でありつづけること、そして互いを尊重し個性を活かし合いながら個の力の総和以上の成果を生み出すチームになることを目指して、リフレクションと対話の場『中つ火を囲む会』を核に、新しい学校モデルづくりに取り組んでいます。

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赤司 展子
札幌新陽高等学校 校長

子どもも大人もワクワクする。
そんな学校づくりに向けて

激しい社会の変化から、絶えずさまざまな学校教育への要請が生まれていきます。そしてその要請に応え、変化に適応していくプロセスは、学校や教育委員会にとって「苦痛」になってしまっていないでしょうか。しかし、目の前にいる子どもたちは大人になってその社会の変化を正面から浴びて、その中でたくましく生きていかないといけない。子ども達の未来を幸せにするためには、私たち教育現場は、社会の変化から逃げてはいけないのだと思います。
だったら、不平不満を言いつつ苦しみながら何とか変化についていくのではなく、学校や教育委員会自身が変化を楽しみ、ワクワクしながら自分たちを変えていけるようになった方がいい。そんな思いから、鎌倉市教育委員会ではスクールリーダー向けの「学習する学校勉強会」を開催するとともに、教育委員会事務局全職員で「学習する学校」の実現に不可欠な対話やリフレクションについて学ぶ学習会を実施しています。心理的安全性が高く、新しいことに子どもも大人もワクワクする。そんな学校づくりに向けて、「学習する学校」のあり方を皆で学び、実践していきたいと考えています。

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岩岡 寛人
鎌倉市教育長

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