5つの非認知能力とは?
非認知能力開発の研究および実践における先行事例として、米国に25年前に創立された団体CASEL(Collaborative for Academic, Social, and Emotional Learning)のフレームワークでは、非認知能力開発を、自己認識、自己管理、社会意識、対人関係スキル、責任ある意思決定の5つの力に分類しています。
自己認識
自分自身の感情、思考、価値観、そしてそれらが行動にどのように影響するかを正確に認識する能力。信頼感、楽観主義、「成長の考え方」を基盤として、自分の強みと限界を正確に評価する能力。
  • ● 感情の特定
  • ● 正確な自己認識
  • ● 強みの特定
  • ● 自信
  • ● 自己効力
自己管理
効果的にストレスを管理し、感情をコントロールし、自分の動機づけ行う能力。状況に合わせて、自分の感情、考え、行動を管理する能力。個人的、学問的目標を設定し、それを達成する能力。
  • ● 感情のコントロール
  • ● ストレスマネジメント
  • ● 自己規律
  • ● セルフモチベーション
  • ● 目標の設定
  • ● 組織力
社会意識
多様な背景や文化を持つ人々を含む、他人と視点を共有し、共感する能力。行動の社会的および倫理的規範を理解し、家族、学校、コミュニティのリソースとサポートを認識する能力。
  • ● 大局観
  • ● 共感
  • ● 多様性の尊重
  • ● 他人の尊重
対人関係
スキル
多様な個人やグループとの健全で有益な関係を確立し維持する能力。明確にコミュニケーションを取ったり、よく聞いたり、他の人と協力したり、不適切な社会的圧力に抵抗したり、建設的に紛争を交渉したり、必要に応じて助けを求めたり提供する能力。
  • ● コミュニケーション
  • ● 社会参画
  • ● 関係構築
  • ● チームワーク
責任ある
意思決定
倫理基準、安全上の懸念、社会規範に基づいて個人の行動や社会的相互作用について建設的な選択をする能力。さまざまな行動の結果の現実的な評価、自分自身や他者の福利を考慮する能力。
  • ● 問題の特定
  • ● 状況の分析
  • ● 問題を解決する
  • ● 評価する
  • ● 内省する
  • ● 倫理的責任
Peaceable Educationでは、まずは学校内のクラスの授業カリキュラムに非認知能力学習を取り入れ、次第に学校全体の実践に広げていきます。最終的には家庭や地域コミュニティにまで拡大し、学校と社会、子どもと大人が一緒になって学び高め合う状態を目指します。
OECD提唱の
「学びの羅針盤2030」について
新たな価値を創造する力、対立やジレンマを克服する力、責任ある行動をとる力を細かく見ていくと、それぞれ3つのコンピテンシー(優れた能力を創出する個人の能力や行動特性)に分けることができます。Peaceable Educationの4つのコンテンツのうち、「システム思考」はコンピテンシー1A以外の全ての能力を、「ピースフルスクール」はコンピテンシー2A〜2C、3A〜3Cの6つの能力を育てることに貢献します。また、これらの力を学校で学び、社会に広げていくという点が「学習する学校」の内容とリンクします。

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